カイツブリ
Little Grebe   Tachybaptus ruficollis


写真1
2003年8月20日 三重県一色町 成鳥夏羽と幼鳥(右) (撮影:なべよしさん)
夏羽は顔の下半分から頸にかけて赤褐色.嘴基部に黄色部がある.虹彩は黄白色.
写真2
2005年10月27日 網走湖 成鳥夏羽と幼鳥(左) (撮影:なべよしさん)
歌舞伎役者の隈取りのような模様はカイツブリ類の幼鳥に共通した特徴.
写真3
データは写真1に同じ
水草を集めて浮き巣を作る.「鳰(にお)の浮巣」とはこのこと.
写真4
2002年12月10日 北海道石狩地方 冬羽 (撮影:管理人)
左の個体(右はスズガモ♀).大きさの違いに注目.冬羽は全体に淡色になる.


体長26cm 翼開長43cm コガモ(Anas crecca)よりも小さく、日本産カイツブリ類中、最小の種
オホーツク圏では夏鳥として渡来し、各地の湖沼や大きい河川の下流域で見られる。ヨシなどの水草が豊富にある環境で繁殖し、岸からはあまり離れない。淡水域を好み、外海に出ることはなく、港湾で見られることもまずない。網走川下流などの不凍水域では越冬することもしばしばある。繁殖期には単独かつがい・家族群で見られ、非繁殖期にも大きな群れを作ることはない。繁殖期には“キュリリリリリリ・・・”というけたたましい声でよく鳴く。
ハジロカイツブリ(Podiceps nigricollis)の冬羽は白と黒のモノトーンで本種のような褐色みはない。頬や体下面は白く、虹彩は赤くて嘴基部に黄色部はない。

参考文献
「北海道野鳥図鑑(河井大輔、川崎康弘、島田明英)」亜璃西社 2003
「決定版日本の野鳥590(真木広造、大西敏一)」平凡社 2000
「Birds of East Asia(Mark Brazil)」Christopher Helm 2009