カラフトムシクイ | |
Pallas's Leaf-Warbler | Phylloscopus proregulus |
写真1 2008年5月15日 北見市常呂町ワッカ原生花園 (撮影:なべよしさん) 翼の2本の淡色帯、次列風切の先端が白くない、黄色い眉斑、黒い下嘴などに注目. |
写真2 2010年5月5日 紋別市花園町紋別公園 (撮影:やんまさん) 眉斑は黄色みが強く、額でつながる.頭頂部から後方にかけて頭央線の一部が見える. |
写真3 データは写真2に同じ(個体も同一) この個体の下嘴基部は明瞭に黄色っぽい.うっすらながら黄色っぽい頭央線が見える. |
写真4 データは写真2に同じ(個体も同一) キマユムシクイに比べて全体に黄色みが強い印象を受ける. |
体長10cm キクイタダキ(Regulus regulus)とほぼ同大で、日本産ムシクイ類中、最小の種 | |
オホーツク圏では数少ない旅鳥として渡来し、春の渡りの際に数例の記録[2007年5月21日/網走市呼人探鳥遊歩道/さえずり録音※同遊歩道では07年以降ほぼ毎春さえずりが確認されている][2008年5月15日/北見市常呂町ワッカ原生花園/2羽(写真1)][2010年5月5日/紋別市花園町(紋別公園)/1羽(写真2-4)]がある。これらの記録により、少数が春の渡り時期にオホーツク圏を通過している可能性が示唆された。これまでの記録の多くはさえずり(録音鑑定)によるものであり、2008年のワッカ原生花園の記録もさえずりに気づいた結果の視認・撮影である。今後、さえずりに着目する観察者が増えることで確認例も増加する可能性が高い。近年はICレコーダーなど手軽に録音できる機器が安価で手に入るようになったが、こうした機器を持ち歩き、聞き慣れない声を録音しておくようにすると新たな「発見」につながる可能性がある。本種のさえずりは「日本野鳥大鑑(下、参考文献の項を参照)」などに収録されている。 | |
キマユムシクイ(Phylloscopus inornatus)はよく似るが目立つ頭央線がなく(本種も状況によっては確認しづらいため注意)、眉斑や翼の淡色線も黄色みが弱い。腰は背と同色(本種の腰は黄色い)。次列風切先端が白く、下嘴基部は黄色っぽい(本種は黒っぽいことが多いが写真2-4の個体のようにかなり黄色みの強いものもいるので注意)。さえずりが異なり、地鳴きも“チュイー”と伸びる(本種は“チュィチュィ”と伸びない)。 |