体長13cm スズメ(Passer montanus)よりも小さい |
オホーツク圏では夏鳥として渡来し、平地から山地の様々な森林で見られる。平地の河畔林や防風林など明るい広葉樹林に多いが、比較的標高の高い針広混交林でも見られ、しばしばより高標高地に多いサメビタキ(Muscicapa sibirica)と混在していたり、場合によっては本種の方が標高の高い位置で見られることもある。垂直分布が圧縮された北海道、特に道東・道北地域ならではのことかも知れない。姿もさえずりもあまり目立たないことから注目されず、見逃されることも多いが、実際には幅広い環境で少なからず見られる鳥である。 |
サメビタキは上面の灰色がより濃くて、胸と脇にも輪郭がぼやけた染み状の縦斑があってより暗色に見える。眼先も特に白っぽくはない。嘴はより短くて、下嘴基部の黄色は範囲が狭いか、ない。初列風切の(三列風切からの)突出は長くて、三列風切の露出部分と同じか、より長い(本種はやや短い)。翼端は尾の2/3ほどまで達する(本種は尾の半分程度まで)。エゾビタキ(M.griseisticta)はやや大きくて、胸と脇に明瞭な灰褐色の縦斑があり、大雨覆の先端と三列風切の外縁が白くて翼を畳んだ際によく目立つ(ただし本種も幼鳥では同様の白線が出るため秋の渡り時期などは注意)。オジロビタキ(Red-breasted
Flycatcher/Ficedula parva/オホーツク圏未記録種)の♀や幼鳥は上面の褐色みがやや強く、尾を上下させる動きをよく行い、尾の基部の両側面にある白い部分がよく目立つ。 |