コシジロウミツバメ
Leach's Storm-Petrel   Oceanodroma leucorhoa


写真1
2006年10月9日 根室市 (撮影:ゆきさん)
右(左はハイイロウミツバメ).黒褐色の体に白い腰と翼上面の淡色帯がよく目立つ.
写真2
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腰の中央を通る黒い線が1本ある.白色部はほぼ腰だけで下尾筒まで広がっていない.
写真3
2007年9月12日 小清水町 (撮影:管理人)
腰中央の黒い線はやや不明瞭.尾は深めの凹尾.この個体は翌日無事放鳥.


体長21cm 翼開長48cm ハイイロウミツバメ(Oceanodroma furcata)とほぼ同大
オホーツク圏では夏(特に7月)に斜里町前浜沖3-4kmの海上ではよく見られるとされる(シーカヤッカーの証言)。海上での分布状況については情報が少なく、不明な点が多い。一般的には夏から秋の低気圧通過時(後)に、陸地まで飛ばされた個体が保護される例が多い(写真3)。沿岸部の地域に多いが、北見市などの内陸でも保護例がある。
クロコシジロウミツバメ(Band-rumped Storm-Petrel/O.castro/オホーツク圏未記録種)はよく似るが、その名の通り全体に黒みが強い。翼上面の淡色帯は不明瞭で、腰は下尾筒両側まで幅広く白く、中央に黒い線はない(ただし本種でも腰の中央線は確認できない場合があるため注意が必要)。尾は浅めの凹尾。アシナガウミツバメ(Wilson's Storm-Petrel/O.oceanicus/オホーツク圏未記録種)は翼がやや幅広くて足が長く、飛翔時に足の先が尾の先から突出する(クロトウゾクカモメ的な印象)。水掻きが黄色いが野外での確認は困難。ただ、本種のような黒っぽいウミツバメ類を保護した際には念のためこの点も確認しておきたい。ハイイロウミツバメは色合いがまったく異なり腰も白くないため混同する恐れはまずない。

参考文献
「北海道野鳥図鑑(河井大輔、川崎康弘、島田明英)」亜璃西社 2003
「決定版日本の野鳥590(真木広造、大西敏一)」平凡社 2000
「Birds of East Asia(Mark Brazil)」Christopher Helm 2009