クビワキンクロ
Ring-necked Duck   Aythya collaris


写真1
1996年3月15日 斜里川河口 ♂成鳥 (撮影:管理人)
下の個体(上はキンクロハジロ♀).


体長40cm キンクロハジロ(Aythya fuligula)大
オホーツク圏では迷鳥で、斜里川河口(斜里漁港)において♂1羽が定期的に渡来し越冬した記録がある(写真)。この個体は1994年3月8日に斜里川河口において初めて写真撮影され、翌シーズンの94年12月に再び同地にて渡来が確認された。以降、1998年春までの5シーズンにわたって毎年渡来し、越冬した。流氷の接岸などによって斜里川河口および斜里漁港周辺に開水面がなくなった際等には網走港に移動していた(確認されているのは1995年2月と1998年1月)。スズガモ(Aythya marila/9割程度)とキンクロハジロ(1割程度)で構成された群れに混在し、キンクロハジロの♀に対して「ヘッドスロー・ディスプレイ」と呼ばれる求愛行動を行ったり、スズガモの♀とつがいを形成したことも確認されたが、その子と思われる交雑個体が渡来することはなかった。
♂♀ともに後頭部が高い特徴的な形状をしており、嘴の先端部が黒く、それに接して白の明瞭な帯がある。♂はさらに嘴基部にも白い縁取りがある。♂は頭部に紫色の光沢があり、脇は灰色で、側胸の白色部が上に食い込んでいて、背眠している時などにもよく目立つ。♀は眼の回りに白いアイリングがあり、さらに後方へ延びる白い線がある。これらの特徴を確認できれば、他種と混同する恐れはない。

参考文献
「北海道野鳥図鑑(河井大輔、川崎康弘、島田明英)」亜璃西社 2003
「決定版日本の野鳥590(真木広造、大西敏一)」平凡社 2000