オオジシギ
Latham's Snipe   Gallinago hardwickii


写真1
2005年4月29日 能取湖 (撮影:なべよしさん)
過眼線が細く、眼先が白っぽく見える.
写真2
2005年5月6日 能取湖 (撮影:なべよしさん)
全体に淡褐色で、ジシギ類中最も淡い色合いに見える.
写真3
データは写真2に同じ
ミミズを捕食.
写真4
データは写真2に同じ
外側尾羽は白地に黒斑が散在し、特に黒っぽくは見えない.
写真5
データは写真2に同じ
下雨覆は黒白の密な縞模様で、特に白色帯はなく、遠目では一様に黒っぽく見える.
写真6
2007年6月6日 小清水原生花園 (撮影:なべよしさん)
嘴は長いが、体に対する割合としてはタシギほどではない.
写真7
データは写真6に同じ
長い嘴の先を地面に差し込み、大好物のミミズを探し出して捕食する.
写真8
データは写真6に同じ
翼下面はタシギとの重要な識別ポイント.
写真9
データは写真6に同じ
ジシギ類中最も“間延び感”を感じる顔つき.
写真10
データは写真6に同じ
地上で鳴くことも多く、その場合は当然ながら“ゴゴゴ・・・”という急降下の際の音はしない.
写真11
2007年6月9日 ワッカ原生花園 (撮影:なべよしさん)
木杭や電柱など、目立つところに止まって鳴くことも多い.道産子鳥屋には見慣れた光景.
写真12
2005年6月18日 小清水原生花園 (撮影:なべよしさん)
尾羽は普通16か18枚.
写真13
2006年6月17日 小清水原生花園 (撮影:なべよしさん)
急降下.ジェット機のエンジン音のような“ゴゴゴゴゴ・・・”は、尾羽が振動する音.
写真14
データは写真13に同じ
繁殖期、草原周辺では多数の個体がディスプレイを繰り広げる.
 
 写真15
2007年6月3日 濤沸湖 (撮影:なべよしさん)
“ズビャーク、ズビャーク・・・”と鳴きながら飛んでいるところ.
写真16
データは写真11に同じ
繁殖盛期には薄暮時や夜間も飛び回るが、体はヤマシギよりもずっと細身で羽ばたきは速い.


体長30cm 翼開長48-54cm タシギ(Gallinago gallinago)よりも大きい
オホーツク圏では夏鳥として渡来し、湖畔や河畔の草地、原野、牧場、農耕地などで普通に見られる。特徴的なディスプレイ・フライトから、「雷シギ」の別名がある。
タシギはやや小さくて全体により暗色。眼先から嘴基部にかけての黒い過眼線が太く、眼先はあまり白っぽく見えない。翼の後縁部に幅広の白い帯が出て、翼下面の下雨覆にも白い帯がある。チュウジシギ(G.megala)は尾羽は20か22枚と多く、外側尾羽はより細めで黒っぽいなどの違いがあるが、酷似しているため注意(他の文献を参照されたい)。ハリオシギ(Pin-tailed Snipe/G.stenura/オホーツク圏未記録種)は、小さくて嘴と尾が短く、寸詰まりな体型。尾は通常26枚で、外側尾羽は針のように細いなどの違いがある。北海道では普通種の本種をないがしろにせず、普段からよく観察しておくことが他種との識別の確実性を増すための近道である。

参考文献
「北海道野鳥図鑑(河井大輔、川崎康弘、島田明英)」亜璃西社 2003
「決定版日本の野鳥590(真木広造、大西敏一)」平凡社 2000
「シギ・チドリ類ハンドブック(氏原巨雄、氏原道昭)」文一総合出版 2004
「日本の鳥550水辺の鳥【増補改訂版】(桐原政志、山形則男、吉野俊幸)」文一総合出版 2009
「Birds of East Asia(Mark Brazil)」Christopher Helm 2009