サンショウクイ
Ashy Minivet   Pericrocotus divaricatus




体長20cm ヒヨドリ(Ixos amaurotis)よりもずっと小さく、モズ(Lanius bucephalus)を細くしたような体つき
オホーツク圏ではまれな旅鳥として渡来し、これまでに2例[2007年5月19日/斜里町(知床半島)マムシ岩/♂1♀3羽(21日にも鳴き声を確認)][2010年5月2日/斜里町幌別橋右岸側木立/2羽]の記録があるほか、未確認ながら数例の観察記録があるものと思われる。
白と黒のモノトーンが印象的な種で、色合い的にはハクセキレイ(Motacilla lugens)やセグロセキレイ(M.grandis)を彷彿とさせるが、木の枝に対して垂直に近い止まり方をし、地上に降りることはあまりない。高木の樹冠部付近で行動することが多いため観察し難い状況も必然的に多くなるが、“ヒリヒリヒリン”や“ヒリリリ”と聞こえる特徴的な声で繰り返し鳴くことから存在の確認・同定は比較的容易。

参考文献
「北海道野鳥図鑑(河井大輔、川崎康弘、島田明英)」亜璃西社 2003
「決定版日本の野鳥590(真木広造、大西敏一)」平凡社 2000
「Birds of East Asia(Mark Brazil)」Christopher Helm 2009
「知床半島におけるサンショウクイPericrocotus divaricatus divaricatusの記録(河野通治、平井泰)」知床博研報29:17-19 2008